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FP3級

FP3級の「実技」は、実演でも面接でもない。申込み前に知りたかった学科と実技の話

2つの試験・2つの団体・受験料——申込み画面で固まる前に

FP3級・初学者向け・約6分・更新 2026-06-10

FP3級の記事

FP3級を受けようと決めて、申込みサイトを開いた日のことだ。私はそこで、画面を見たまま固まった。

「学科試験」と「実技試験」。……実技? FPの実技ってなんだ。お客さん役の試験官に保険を売ってみせるのか? ロールプレイか? と、申込み画面の前でひとり動揺した。しかも実施団体が「日本FP協会」と「きんざい」の2つあって、どっちで申し込めばいいのかもわからない。

結論から言うと、実技は実演でも面接でもない。ぜんぶ筆記(画面上の選択式)だ。あの日の私みたいに固まる人を減らすべく、申込み前に知っておきたかったことを全部まとめておく。なお、試験の制度や数値は変わることがあるので、この記事の内容は2026年6月3日時点で公式情報を確認したものだ。受ける前には必ず最新の公式サイトを見てほしい。

FP3級は「学科」と「実技」の2本立て

まず全体の地図から。FP3級の試験は、学科試験と実技試験の2つで構成されていて、両方に合格すると「3級FP技能士」になれる。それぞれ別々に合否判定されるので、片方だけ先に受けて、後からもう片方、という受け方もできる。

学科は、いわば「知識の幅」を見る試験。6分野(ライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックス、不動産、相続)から、まんべんなく基礎知識が問われる。

実技は、「その知識を使えるか」を見る試験。といっても身構えなくていい。キャッシュフロー表や保険証券みたいな資料を読み取って、計算したり正しい選択肢を選んだりする筆記問題だ。係数を使った計算なんかは、まさに実技の主戦場になる。

FP3級の構成図。学科試験は90分で○×30問と三答択一30問の計60問、実技試験は60分で資料の読み取りと計算の筆記。両方6割で合格し、3級FP技能士になれる
2本立ての全体図。「実技」と書いてあるが、どちらも筆記だ。

学科:90分・60問。○×が半分ある

学科の形式は、どちらの団体で受けてもまったく同じ。90分で、○×問題30問+三答択一30問の計60問。合格ラインは60点満点中36点、つまり6割だ。

注目してほしいのは、半分が○×問題だということ。2択なのだから、完全にわからなくても確率は5割ある。そして三答択一も3つから選ぶだけ。つまりFP3級の学科は、出題形式そのものが初学者にやさしくできている。

「6割で合格」「半分は○×」。この2つを知っているだけで、テキストの分厚さに対する恐怖はだいぶ和らぐと思う。満点を狙う試験ではなく、基礎を広く拾う試験だ。

実技:60分。中身は「資料の読み取り+計算」

実技は60分。出題数や細かい形式は、選ぶ団体・科目によって少し違うが、合格ラインはこちらも満点の6割で共通だ。

中身のイメージはこうだ。「このキャッシュフロー表の空欄に入る数字はどれ?」「この保険証券で、入院したらいくら受け取れる?」——資料が出てきて、それを読み取って答える。学科で覚えた知識を、具体的な数字と書類の上で使う練習、と言えばいちばん近い。

だから勉強の順番も自然に決まる。先に学科で基礎を固めて、それから実技。知識がないまま実技の資料を見ても暗号にしか見えないが、学科を一周してから見ると「ああ、あれの話か」と読めるようになる。

白猫

白猫:“実技”って名前で損してるよね。実際は「資料を読んで電卓を叩く筆記試験」。ロールプレイは出ないから安心して。

団体が2つある問題:日本FP協会と、きんざい

そして申込みで迷う最大のポイント、実施団体だ。FP3級は日本FP協会きんざい(金融財政事情研究会)の2団体が実施していて、どちらで合格しても同じ国家資格「3級FP技能士」がもらえる。優劣はない。

違いは実技の科目だ。学科は両団体で共通。実技は、日本FP協会が「資産設計提案業務」、きんざいが「個人資産相談業務」と「保険顧客資産相談業務」という選択になっている。

選び方の目安はシンプルでいい。協会の「資産設計提案業務」は、キャッシュフロー表や係数など6分野を広く使う計算・読み取り中心。きんざいの「保険顧客資産相談業務」は名前のとおり保険分野に寄っているので、保険業務に関わる人向き。迷ったら、6分野をまんべんなく学んだ力をそのまま出しやすい協会の資産設計提案業務を選ぶ人が多い、というのが実情だ。どちらにせよ、学科の勉強内容は1ミリも変わらないので、団体選びで学習計画が狂うことはない。

お金と受け方:8,000円・CBTで通年受験

受験料は、学科4,000円+実技4,000円の計8,000円(非課税)。学科だけ・実技だけの受検もできて、その場合はそれぞれ4,000円だ(2026年6月3日確認。改定されることがあるので申込み時に公式で確認を)。

そして受け方。FP3級は2024年4月からCBT方式に完全移行していて、決まった試験日を待つ必要がない。全国のテストセンターで、通年、自分の好きなタイミングで受けられる。

これは独学者にとって、かなり大きい。「次の試験日まであと◯か月」から逆算してダラダラするのではなく、仕上がったら受ける、が可能だ。以前『過去問はいつから』の記事で“早すぎる過去問”をすすめたが、CBTなら「過去問が安定して7割を超えたら申し込む」みたいな、自分の仕上がり基準で日程を決められる。

私がおすすめする段取り:仕上がってから申し込む

制度がわかったところで、独学者向けの段取りを1つ提案しておきたい。CBTの「いつでも受けられる」は便利な反面、締切がないとずるずる先延ばしになる諸刃の剣でもある。私の推しは、“日付”ではなく“仕上がり”で申込みボタンを押すやり方だ。

  • テキストと演習で学科の6分野を一周する(完璧じゃなくていい。『過去問は地図』の精神で、早めに問題に触れる)
  • 学科の演習で、安定して7割を超えるようになったら申し込む(合格ラインの6割に対して、1割の貯金が安心料になる)
  • 申込みから受験日までの期間で、実技の資料読み取りと計算を集中練習する(学科の知識が入っていれば、実技対策は思いのほか短期間で形になる)
  • 前日は新しいことをやらない。間違えた問題の見直しと、早寝。

ポイントは2つ目だ。締切がない試験では、「申込み」そのものを自分への締切にできる。仕上がってから申し込めば、申込んだ瞬間に“あとは維持と実技だけ”という消化試合に持ち込める。逆に、先に申し込んで自分を追い込むタイプの人は、それでもまったく構わない。自分がどちらのタイプか、これまでの試験勉強を思い出して選んでほしい。

お金の話だから、最後に1つだけ注意

FPの試験範囲は、税金・年金・保険といった「生活のお金」そのものだ。だからこそ、1つだけ大事な注意がある。制度や数値は、毎年のように改正される

試験には「法令基準日」というものがあって、その時点の法令にもとづいて出題される。古いテキストや古いネット記事の数字を覚えると、今の試験では不正解になることがある。教材は必ず受験年度に対応したものを使ってほしい。

この記事も、2026年6月3日時点で日本FP協会・きんざいの公式情報を確認して書いているが、あなたが受けるときには変わっている可能性がある。申込みと最終確認は、必ず公式サイト(日本FP協会きんざい)で。ここだけは、面倒くさがらないでほしい。

まとめよう。実技は筆記。学科は90分60問で半分が○×。合格ラインはどちらも6割。団体はどちらでも同じ国家資格。8,000円でCBT通年。——あの日、申込み画面で固まっていた私に教えてあげたいのは、たったこれだけのことだった。

全体像がわかったら、あとは学科の6分野を一歩ずつ。当サイトの学科300問・実技100問は、いつでも待っている。

FP3級の「実技」は、実演じゃない。資料を読んで電卓を叩く、もう1つの筆記試験だ。

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