本文へスキップ

FP3級

FP3級の実技は、知識量より“資料のどこを見るか”で決まる

計算と読み取りは、型を知れば怖くない。あわてず資料を絞る手順

FP3級・FP3級・独学者向け・約7分

FP3級の記事

FP3級の勉強をしていて、こんな経験はないだろうか。学科の問題は、○×や三択でそれなりに解ける。なのに、実技のページを開いた瞬間、保険証券だの源泉徴収票だのがドンと出てきて、「どこを見ればいいのか分からず固まる」。私も最初、まさにこれだった。

でも、実技は“難しい知識”を新しく覚える試験ではない。学科で覚えたことを、資料の上でどう使うかを問う試験だ。そして、その使い方には型がある。型さえ分かれば、見た目のいかつさほど怖くない。今日は、実技でつまずかないための読み取りの手順を整理する。

まず確認:実技は「学科の続き」であって、別物ではない

大前提として、実技で問われる中身は、学科と同じ6分野(ライフプランニング、リスク管理、金融資産運用、タックス、不動産、相続・事業承継)から出る。まったく新しい分野が増えるわけではない。ちがうのは“出され方”だ。学科が「知っているか」を直接きくのに対し、実技は「資料を読んで、知識を当てはめて、答えを出せるか」をきく。だから、学科の知識がぐらぐらだと実技も崩れるし、逆に学科が固まっていれば、実技は“使い方の練習”に集中できる。学科と実技がどう違うのかは、『学科と実技の話』の記事 でも整理しているので、申込み前の人はそちらもどうぞ。

計算問題は、“型”が決まっている。だから手を動かす

実技には、計算問題が必ず出る。係数を使った将来の金額、保険の保障額、税額の概算、利回りなど。ここで大事なのは、計算問題は出題パターンがかなり決まっている、ということだ。毎回ゼロから考えるのではなく、「このタイプは、この手順」と型で覚えてしまうほうが速い。そして、計算問題は必ず電卓で手を動かして練習する。読んで「ああ、こうやるのね」で済ませると、本番で指が止まる。実技は時間との戦いでもあるので、よく出る型は、手が勝手に動くくらいまで反復しておきたい。係数(終価・現価・年金など)が毎回ごちゃごちゃになる人は、『6つの係数』の記事 で“求めたいもので選ぶ”考え方を先に入れておくと、実技の計算がぐっとラクになる。

白猫

白猫:計算は読んで分かった気にならないでね。よく出る型を、電卓で何回か叩いて“手で”覚えると、本番で迷わないよ。

資料読み取りのコツは、“設問から資料へ”の順で見る

実技でいちばん固まりやすいのが、保険証券・源泉徴収票・物件資料・相続関係図などの資料読み取りだ。ここでのコツは、ひとつ。資料を先に全部読もうとしない。設問を読んでから、必要な箇所だけを資料に探しに行く。資料には、答えに関係ない情報もたくさん載っている。最初から端まで読もうとすると、情報量に飲まれて時間も気力も削られる。そうではなく、「この設問は何を聞いている?」を先に押さえて、その答えがありそうな欄だけを、ピンポイントで見にいく。たとえば保険証券なら、設問が入院給付を聞いているのに、死亡保障の欄まで丁寧に読む必要はない。源泉徴収票なら、聞かれている数字が載っている欄に、まっすぐ向かう。“どこを見るか”を絞れるかどうかが、実技のスピードと正確さを分ける。

6分野それぞれに、“代表的な見られ方”がある

資料の種類は分野ごとにだいたい決まっている。ざっくり言えば、保険まわりは保険証券、タックスは源泉徴収票や所得の資料、不動産は物件の概要や登記の資料、相続は家族関係図や財産の一覧、といった具合だ。だから対策も、「どんな資料が、どの分野で、何を問うために出るか」を、演習で一つずつ確かめていくのが近道になる。初見だと身構えてしまう資料も、何度か同じ型に触れれば、「あ、これは前に見たやつだ。聞かれるのはたぶんここ」と当たりがつくようになる。当サイトの実技の演習問題も、こうした代表パターンを一通り収録しているので、資料の“見るクセ”をつける練習に使ってほしい。

黒猫

黒猫:資料は端から読むな。設問が「ここを見ろ」と教えてくれている。聞かれてから、その欄だけを取りに行け。

数字は変わる。だから“本番時点の条件”を確認するクセを

最後に、正確さのための注意を1つ。実技の計算でつかう控除額や税率、各種の上限額といった数字は、制度改正で変わることがある。だから、過去の数字を丸暗記して安心するより、「この問題は、いつの時点の条件で問われているか」を確認するクセをつけておくほうが安全だ。当サイトの問題・解説は、2026年4月1日の法令基準日に合わせて作成・点検しているが、本番の受験にあたっては、日本FP協会など公式の最新情報も必ず確認してほしい。数字そのものを覚えることより、“数字は動くものだ”と知っておくことのほうが、長い目で見ると効いてくる。

実技は、知識を“使う”練習。だから演習がそのまま効く

まとめると、実技は新しい知識の試験ではなく、学科で積んだ知識を、資料の上で使う練習だ。計算はよく出る型を手で覚える。資料は、設問から逆に、必要なところだけを取りにいく。この2つの型が身につけば、最初はいかつく見えた実技も、「あ、いつものやつだ」に変わっていく。学科で土台を作って、実技で“使い方”を反復する。順番どおりに積めば、ちゃんとたどり着ける。あの保険証券を見て固まっていた私でも、型を知ってからは、ずいぶん落ち着いて読めるようになった。

実技は知識量より“どこを見るか”。資料は端から読まず、設問に呼ばれた欄だけを取りにいく。それが、あわてないコツだ。

関連記事

勉強法記事一覧 FP3級の記事をもっと見る